「嫌われない」が目標になっていた日々
誘われたら予定を動かして必ず会う。送る前の文面を何度も書き直す。本当は寂しかった日も「大丈夫だよ」と返す。ひとつひとつは優しさに見えますが、並べてみると共通点があります。どれも「加点」ではなく「減点を避ける」ための行動だということです。
嫌われないための努力は、テストでいえば、間違えそうな問題を白紙で出し続けるようなものです。減点はされません。そのかわり、点も入りません。関係の中に「私」が書き込まれていかないのです。
嫌われていないことと、大切にされていること
「嫌われていない」と「大切にされている」は、別のものです。
嫌われないことを積み重ねても、たどり着くのは「嫌われていない」までです。そこから先の「大切にされる」には、相手があなたを知っていることが必要になります。何が好きで、何が嫌で、どうされると悲しいのか。それを見せていない相手は、あなたを大切にしようがありません。
そして、合わせ続けた関係には、消えない疑いがひとつ残ります。「彼が好きなのは、私ではなく、何でも合わせてくれる誰かなのではないか」。この疑いは、合わせるのをやめてみるまで、確かめられないままです。
守りたいのは「私はどうしたいか」の一票
だから、嫌われないことの代わりに守りたいのは、「私はどうしたいか」という一票です。大きな主張でなくて構いません。行きたいお店を先に言ってみる。疲れている日は「今日は休みたい」と伝えてみる。週にひとつで十分です。
見るべきなのは、言えたかどうかよりも、言ったあとの扱われ方です。あなたの一票を面倒がる相手なのか、聞こうとする相手なのか。それは、合わせ続けている限り、一生わからないままの情報です。
一票を出すのが怖いと感じるなら、その怖さがどこから来ているのかを、一度見つめてみてください。

